エチゼンクラゲが大量発生する原因と、引き起こる被害の深刻さについてご存知でしょうか。エチゼンクラゲは超巨大クラゲであり、全長が2m以上にも成長する種族ですが大量発生するとどういった問題が引き起こるのか気になるポイントです。
この記事を読むと、エチゼンクラゲが大量発生する原因を理解でき、そしてそれに伴って引き起こる被害の深刻さについて知ることが出来ます。
エチゼンクラゲが大量発生する原因や理由
エチゼンクラゲが大量発生する原因は、海水温が上昇しプランクトンが増えることによって富栄養化した海流が日本へ流れていることにあります。エチゼンクラゲは、元々中国や韓国の海の領域を拠点として回遊していました。
ですが、近年では温暖化による海水温度の上昇と同時にエチゼンクラゲの分布域が南下してきてしまい、ここ日本の海域にまで現れています。日本の海においてはエチゼンクラゲが生活することが出来る海水温度とプランクトンの種類が豊富なため、大量発生することがあります。
また、プランクトンを主食としているエチゼンクラゲの天敵となるカワハギなどの魚自体が乱獲などで減少している傾向にありますので、余計にエチゼンクラゲの大量発生に拍車をかけています。
エチゼンクラゲ自体は少し冷たい海域でも温暖な海水温でも生き残ることができ、温暖になれば海水内のプランクトンも増加しますのでエチゼンクラゲの食料となる海水の微生物が増えていきます。
栄養素がその海水エリアの中にある限りは、エチゼンクラゲは他の場所に回遊をしません。その海の中が富栄養化であればあるほど、その場所に根付き他の魚などが入ってこれないように生態系を崩しながら増殖を続けているのが現状であり、エチゼンクラゲの大量発生については2005年より問題視されています。
2005年ごろはちょうど中国が高度成長を驀進的になしており、工場から流れ出た温暖な排水により海水温が上昇し、中国内でもエチゼンクラゲが大量発生しています。その後、2005年を皮切りに日本にまでエチゼンクラゲがどんどん南下して猛威を振るっていると言うわけです。
逆に言ってしまうと海水温が低くなり、プランクトンの大量増殖が阻害されることでエサとなるプランクトンが減少しますので、エサえさが無くなればエチゼンクラゲも生きていくことが出来ず、自然と減少するということになります。
さて、近年よく耳にするエチゼンクラゲの大量発生ですが、これらが生じるとどんな被害を引き起こしてくるのでしょうか。
チゼンクラゲが大量発生すると引き起こる被害の深刻さ
エチゼンクラゲの大量発生により生じる被害は、主に漁業関係に深刻なダメージを与えます。他にも、エチゼンクラゲの大量発生によって、船舶への被害が発生することもあります。
まず、人の大きさよりも遥かに巨大なエチゼンクラゲが船舶のスクリューに絡まることで、一時的に船舶は進むことができなくなり航行が困難になるという被害が生じます。
その船舶に絡みついたエチゼンクラゲを引き離す作業をするのですが、エチゼンクラゲの触手には神経毒があり刺されてしまうと、一時的に皮膚に痒みが現れたり腫れが出来たりします。
このエチゼンクラゲの神経毒は人間には致命的なダメージはありませんが、漁で水揚げした魚が刺された場合には大きく魚の風味を損ない、魚を傷つけてしまうため、漁業をしている漁師さんにとっては死活問題になります。
漁師さんが商売として魚を獲る際にエチゼンクラゲが魚網にかかりますと、一緒に獲れた魚を傷つけ商品価値を下げる問題や漁業網が破損する被害があります。また、1匹のエチゼンクラゲ自体が約100kg~200kgほどの重量にも成長するため、漁業網を巻き上げる機器の損傷にも繋がります。
つまり、エチゼンクラゲが大量発生することは漁業のあり方にも問題を引き起こしてしまうので駆除対象となっています。もちろん漁業以外にも海水浴のシーズン中においてエチゼンクラゲが大量発生しますと、海で泳ぐことも禁止されます。
これは一度にエチゼンクラゲの触手に刺された場合に起こりうる問題の中に、神経毒が大量に混入したことによるショックがあげられているからです。エチゼンクラゲが大量発生したときには、稀に海水浴場を楽しめる海域まで南下してくることもありますが実はエチゼンクラゲの毒はやや強めです。
そのため、エチゼンクラゲが大量発生して海水浴場での目撃報告があれば、海水浴シーズンに海で泳げなくなる場合もあります。以上が、エチゼンクラゲの大量発生で生じる被害の解説でした。