エチゼンクラゲの大きさと成長の仕方には、ちょっと不思議な要素がてんこ盛りで興味をそそる人も多いのではないでしょうか。エチゼンクラゲは超巨大で大きさは、想像を絶しますが成長の仕方にも変わった特徴があります。
この記事を読むと、エチゼンクラゲの大きさと成長の仕方や海域の温度条件によって生き死にの運命が決まる理由を知ることが出来ます。
エチゼンクラゲの大きさと重量
エチゼンクラゲの大きさは、傘のが直径で最大約2m、重さ150~200kgになる個体が見つかっております。エチゼンクラゲは、クラゲの中でも最大級の大きさと重量となっています。
エチゼンクラゲの食欲は大きさから想像がつく通りに旺盛であり、エサとなるプランクトンが十分にあれば爆発的に成長をするがその生態については詳しく分かっていない部分が多くあります。
エチゼンクラゲは、どうして他のクラゲと比べてここまで水分量を多く維持して大きな体を維持できるのかなど、分らない部分が多いクラゲです。エチゼンクラゲの毒についても、近年になりきわめて毒性が強い毒があるということが分かったクラゲです。
なお、エチゼンクラゲの生態を実験したデータによりますと、7月に3kgほどの重量であったエチゼンクラゲが11月には100kgを超える大きさと重量になったという実験結果がありますので、きわめて短期間で成長を遂げているということになります。
また、日本においては150kgが最大級の大きさとの重量となるエチゼンクラゲですが、日本以外の地域では200kgを超える重量のエチゼンクラゲもおり最大重量と直径の大きさなどははっきりした大きさが分っていません。
ただし、これは水温が高い場合にエチゼンクラゲが成長をしたという実験であり、水温が低い場合には成長速度が大きく異なります。水温が低い海域にいるエチゼンクラゲは、十分に成長することが出来ずに大きさはあまり変わりません。
それどころか、水温が低い海にいるエチゼンクラゲは、自分自身の元々の大きい体を維持するだけのプランクトンを集めることができずに死滅しています。冷たい海にいるエチゼンクラゲは、大きい個体は死滅して小さいエチゼンクラゲのみ、その体を維持するだけのプランクトンを得て生き延びることが可能となります。
エチゼンクラゲの成長の仕方
エチゼンクラゲの成長の仕方ですが、クラゲはクラゲの元となるポリプが海底に定着することで大きくなります。クラゲを作る生産工場みたいな物を海底に作り上げます。
このポリプと呼ばれる工場内部でクラゲの幼体を作り、ある程度の幼体を作り上げると海水内にそのクラゲの幼体を放出します。この海水内に放出されたクラゲの幼体が後にエチゼンクラゲとなるのですが、それまでの過程に多くのプランクトンを体内に取り入れながら成長します。
エチゼンクラゲは超巨大なクラゲなので、プランクトンを大量に摂取しないと成長できないのです。また、クラゲの幼体を放出する工場機能なのような組織が海底に定着した場合はポリプと呼ばれますが、海底に定着しなかった場合はそのまま流されて海底に定着するまで活動を休止します。
また、ポリプが海底に定着して分裂して増える過程で移動式の工場になる場合もあるため、他のエリアでもエチゼンクラゲを見かけるようになったわけです。つまり、クラゲを作っている工場的な組織が海水の流れに乗ってどこかの海底に定着して、再度クラゲを作る工場として稼動すると言うお話です。
海水の温度が高い場合、ポリプは活動をしてクラゲの生産を行いますが水温が低い場合は死滅してしまうとされています。私たちの社会に例えると、工場で言う所の閉鎖ですね。活動をやめたポリプは、そのまま死滅しますので増殖することは無いです。
ですので、海水に乗ってエチゼンクラゲの生産組織がやってきたからといっても、海水が冷たすぎるとポリプが定着できないのでエチゼンクラゲを作る工場が稼動できず、そのまま潰れてしまうと言うことです。
逆に海水が何処でも温暖な状態になりますと、どこの海域にポリプが流れ込んでもクラゲを生産して成長し続けると言うことになります。エチゼンクラゲだけではなく、クラゲが成長をするにあたり必要な要素は、海水温と栄養となるプランクトンが自分の体を維持することができる分だけの量を確保できるかどうかであると言う結論になります。
海水温が低いとポリプが死滅し、プランクトンが少ないとクラゲとして生まれた際、エサが足りなくなりそのまま死滅してしまいます。また、大きく成長したエチゼンクラゲであったとしても、冷たい海域に流れ着いた場合には、プランクトン不足によって体の大きさに対する栄養が確保できずに小さいエチゼンクラゲ以外は死滅します。